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この中の一枚が、毎日新聞系のMMJという医学雑誌の表紙に、なった。

それは私の作品とそれに対する文章のコラボレーションになっていた。

美しい文章で冠をかぶせていただいたような気になった..



四角い宝石


浜田澄子の作品は財宝の中の「宝石」だった。

青と緑 の色の世界に迷い込み、その世界へ引き込まれてしまっ た。

彼女の作品は光を出しながら、何かを吸い込もうとする
力がある。

光に誘われ、気が付くと彼女の世界 に捕らわれてしまった感覚である。

彼女は大切な家族が逝き、精神的に混乱した時期が
あった。

『生きることは平坦ではなく何かを構え築くこ とではないかと思うのです。

物質感を構築するのは、あ る意味「生」がエネルギッシュで、

手ごたえに満ちたもののような気がするからです』と言っている。

彼女の以前 の作品は画面の中に「彼岸と此岸」の世界がはっきりと二分されていたが、

この作品は「此岸」の部分だけになっ た。

「金銀財宝は人の心を変える」との言葉。宝石はなかな か手に入らぬために貴重な財産で

あるが、光り輝き人の 魂も引きつけ、身に付けることによって人の心が変わ る。

ダイヤモンドやサファイヤなどが人を虜にするの は、

輝く光と吸い込まれる光が同居しているからだと思 える。

この作品は掌に載る大きさだが、木製パネルに小さ な薄い和紙片を幾層も張り合わせ、

側面にも施してい る。
その紙片は和紙にアクリルや墨でペイントしたもの や、モノタイププリントしたものを切っている。

「紙を 何層にも張り合わせ色を重ねることで、構築的で鉱物 質なテクスチャーを創る。


それが生きることに繋がるの ではないか」と言うように彼女はダイヤを磨き、カット 面を作るように張り重ねた。

紙でできているのだが、宝 石を散りばめた印象が残るのはそのためであろう。


この作品は私にとっては1つ1つの色が輝いている四角い宝石である。

そこには緻密に計算された構成があ り、ダイヤモンドの輝きのように気持を揺さぶる。

そし て内側に気力を充実させてくれる。彼女にとっては精一 杯「此岸」を描くことによって、

逝った人との魂の触れあ う触媒になっているのではないだろうか。

この作品を首飾りなどにはできないが、見ることによ って生きることのエネルギーが出てくる。

宝石は自然の 力が生み出したが、「四角い宝石」は浜田澄子が生み出 した。

そこにある光は人を明日の世界に導く。


(モリス高橋)

2008年 《blue dream》 ウィリアム.モリス(渋谷)


私は荒野を歩いている

一人でずんずん歩いていく

時には青銅で出来たラビリエンスをくぐり抜け

時には大岩棚の下で一夜を明かす
見上げてみれば満天の星空

私は風に押されるようにずんずん歩く

風が
大気が
澄んだ星空が
いつも友達のように自分の周りに馴染んでいる

目指すは私のホ~リーマウンテン

幾層にも重なった岩だなの遥か彼方に

見よ

あれがわたしのホ~リーマウンテン…

blue dream

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